2008年04月17日

竣工

昨年から進行していた美容院が竣工しました。
この工事は大学時代の同期が営むますいいリビングカンパニーに依頼しました。
当初は2ヶ月程の工事期間を見込んでいたようでしたが、無理を言って半月程短縮してもらい、無事オープン致しました。

和風住宅の空間の特徴である鴨居(床から175センチのレベル)、間仕切り壁、障子や襖を取り除き、床を張り替え、壁、天井を塗装する。戸建て住宅ならではの庭に対して、新規に木製建具を入れ替える。
内容を要約するとシンプルですが、このシンプルさを見つけ出し予算を合わせるまでには、それなりに時間を要しました。

作っているというよりは、取り除いて空間が出来上がる内容でした。

古い建物を店舗に改修したのはこれで二件目(和食了寛ami)です。
既存の建物の特徴と改修後の用途を分析し、互いに折り合う接点を見つけ出すこと。その接点は大げさな工事であってはならず、にもかかわらず空間を魅力的に一変させる小さな一点でなければなりません。二つの店舗に共通している方針です。

全体的に新築のようにリノベーションしてしまうのでは、コストも新築以上にかかってしまう上、既存建物の良質な特徴を失わせてしまいます。異なる原理を重ねる手法は、新築でも可能ですが、その原理は同一の主体が設定している点が異なります。主体にまで遡ると、結果の魅力の質の違いを理解する手がかりとなるのかもしれません。

また機会があれば、このようなリノベーションをやってみたいと思います。
タグ:美容院 竣工
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2008年03月17日

美容室リノベーション

古い和風住宅を美容室にリノベーションしました。
先日お客として伺い、晴れた日の昼間に庭を眺めながら明るい部屋で切ってもらいました。
他にもお母さんが切ってもらっている間、お父さんと子供達は庭や縁側で遊んでいるような光景も目にしました。
美容という機能に限定されず、様々な行為が自然に発生するような空間でした。
きちんと言い当てられているかどうかはわかりませんが、機能的な側面はきちんと抑えながら、その残余に様々な価値が生み出されるような雰囲気です。
そんな美容室をオーナーさんは設計当初から望んでいたので、ひとまずこの点には成功でした。
美容室開口.jpg 美容室デッキ.jpg 美容室夜景.jpg
元々は住宅であることとその空間構成が、この落ち着いた雰囲気に寄与していることがわかりました。

一般的なテナントビルに入る美容室は、前面道路に向けて出来るだけ開き、内部の様子を外部に向かって発信するような意図が感じられます。
店自体が看板として機能し、切っている側も切られている側もその一部に組み込まれコマーシャルとなる。全面ガラス張りとし、視覚的な意味でストレートに外部と関係することでその目的を果たします。

両者共に外部からの視線に常にさらされていることに、完全に無自覚ではいられない状況です。
街を見渡してみると、内部の意匠の差異だけを競い合っているようで大差はないように思います。

一方、今回リノベーションした住宅は、
道路側の外部との関係には塀と門扉で断ち、・・・(1)
もう一つのプライベートな外部としての庭に対しては全面開口として関係させる・・・(2)
ような空間構成でした。

この計画の際、
(1)については店舗という性格上、少なくともアプローチとエントランスまでは外部との関係をもう少し持たせるため、塀の高さを一段カットし、門扉を撤去、道路側に新規の窓を一つ設ける程度としました。
(2)については、このまま庭との関係を積極的に強化させるよう、木製サッシを作り直し、外部デッキを設けました。
カットスペースは完全に街と関係を断ち、落ち着いた雰囲気を得ることとなりました。

結果的にオーナーさんの意図する(私自身それに共感しているので私の意図でもあります。)空間が出来上がったと思います。オーナーさんと街を歩きながら、物件探しからご一緒させて頂いたことが生きてきたようで、満足しています。竣工写真は後日HPに掲載致します。
posted by 添田 at 13:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築設計

2008年02月29日

カタログデザイン

あるキッチン屋さんからカタログデザインの依頼を頂きました。
製本も私共に任せて頂けるとのこと。

現在、スタディ中。
デザインしたものを事務所のインクジェットプリンタで出力し、手作業の製本をいくつか作っています。
建築設計でいうと模型です。
紙の厚み、光沢、手触り、硬さなど素材の性質や印刷の精度こそ、本物とは異なりますが、スケールは一緒です。
原寸大の模型をいくつも作っているようで、建築よりずっと安心感があります。

商品の特徴や美しさがスムースに手に取る人の脳にインプットされるにはどうしたら良いか。
ページをめくる毎に、紙面が移り変わる様子を何度も体験しながら検討しています。
建築設計よりはるかに実体験に近い感覚を得られ、スタディの精度も建築設計と比べるとはるかに高いのでしょう。

とはいえ、思ったより時間がかかるもので、苦労しています。






posted by 添田 at 15:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2008年02月19日

グラフィックデザイン

昨年末からカードや名刺などを印刷会社に出す機会がありました。年賀状や設計監理を行った店舗に置いて頂く事務所のカード、刷新した名刺などをこれまでは全て事務所のインクジェットプリンタやレーザープリンターで印刷していましたが、やはり仕上がりが違います。インクが淀みなく高精度で紙面に定着している雰囲気が完成度を高め、魅力的です。パソコンで作成したデータを印刷会社に入稿し、1週間程で仕上がります。500枚程度を印刷し、コストメリットも出せました。(3点セットをお送り致します。)

グラフィックデザインは2次元平面上のデザインだと思われがちですが、建築と同様に空間的(立体的)で時間的なデザインでもあります。紙面サイズの検討でさえ、既に空間が立ち上がります。カードを両手で持った途端に眼との距離が生まれ、同時に視界の中で紙面の広がりが発生します。空間的であり極めて身体的です。
その空間の中に画像や文字を配列し、眼がそれらを様々にフォーカスさせながら追い、移動して行くことで、時間が生まれます。目にした時の最初の一瞬美しさ、眺めたり読み込んだりする数秒の心地良さ、あるいは数年、数十年というスパンでメッセージや意味が紙面に刻まれることもグラフィックデザインの時間的な可能性と言えると思います。

建築の設計は、具体的に壁や柱、床、天井など物そのものを決定して作り上げながら、最終的にはその残余としての空間、またそこで行われるであろう生活をコントロールするのに対して、グラフィックは二次元の平面を作り上げながら、それを眺める人間の感情や仕草までをデザインすることになります。(とすると音楽・絵画・写真・映画も同様ですが)目標、あるいは成果は似たような位相にアウトプットされるのではないかと思います。

本格的にグラフィックやタイポグラフィを勉強したことはありませんが、実は建築の図面も2次元平面における表現で、日頃から接していることではあります。図面を一式仕上げた感じとカードを作り上げた時の達成感は似ていなくもありません。装丁や製本も含めて、ややグラフィックのスキルアップに重点を置きながら建築設計と共に仕事をして行こうと考えています。






posted by 添田 at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築設計

2008年02月09日

進行中の現場2

埼玉県春日部市で古い和風住宅を美容院に改装しています。
各部屋が障子と欄間が仕切られている点がこの住宅の特徴の一つとして挙げられます。
1.75m程度の高さの障子の上に鴨居、その上に欄間があることで、どのスペースにも1.75mの水平方向のラインが表れます。これらを全部解体することで、空間のスケール感を変化させようというのが、一つの試みでした。
写真は解体をし、下地を作り終えた段階です。予想通り、当初の和風住宅のスケール感が美容室に適したスケールに変化しました。これから壁、天井、建具を塗装し、床材を張り、機器類を設置して工事完了です。
オープンは3月中旬です。お店のHPはこちら
ami01.jpg
posted by 添田 at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築設計

2008年02月08日

進行中の現場

進行中の現場でコンクリート型枠を脱型し、スケルトンの状態を見て来ました。
都内の角地で狭小であることから、2方向から道路斜線がかかり、なおかつやや変形している敷地において、境界線から必要な分オフセットしたラインで平面の形を決めています。
この2つの条件から最上階の屋根形状が、自動的に決まり、歪みのある吹抜けが出来上がります。空間のサイズ、比率の決定に恣意性が限りなく排除されているので、どのような空間になるのかを楽しみにしていました。これから内装が進み、この空間をコンクリートの粗い表情で体験することが出来なくなりますが、仕上がりを期待しています。

RIMG0038.jpg

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posted by 添田 at 17:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築設計

2007年12月19日

開口部 窓 サッシ

建物を設計していく上で、開口部には細心の注意を払って検討していきます。
開口部は建物の外部・内部双方に大きく関係します。外観のデザインを決定するのも内部空間の明るさや風通し、開閉のし易さ、熱環境を決定するのも開口部です。
建物の基本的な性能である雨仕舞いについてもリスクの高いポイントです。また、法規的にも様々な項目で規制がかかります。風圧や建物の変形に対する開口部の歪みの許容についても考慮しなければなりません。

一般に開口部はアルミや鉄、木などの枠に同材の窓の組み合わせで作られるサッシ、あるいは大判のガラス面で大きな面を覆うカーテンウォールで構成されます。どの形式を選択しようとも毎回、メーカーや製作業者と打ち合わせを重ね決めていきます。

一度、ある住宅でスティールの既製部材の組み合わせで全ての開口部を特注で製作したことがあります。
限られた予算でよく出来たと今でもサッシを検討する際にはよく振り返りますが、そのプロセスは設計段階から施工まで膨大な時間を費やしました。一件の住宅を作る間中、ずっと打ち合わせをしていたような記憶があります。

本日は進行中の建物の開口部の打ち合わせの第1回目。鉄骨造、集合住宅のサッシについてメーカーと意見を交換しました。
基本的には全てがアルミサッシですが、外壁との取り合いや防火規制に対する対処の仕方を整理していきました。
工場も併設するため、荷物の搬入に適した大きな引き戸も検討しています。ガラス面が大きくなることで法規的に苦しい面もありますが、どうやってクリアーするかが最終的なデザインに関係してきます。議論中、法規などの地味な内容も多く、様々な観点からの検討が必要なのですが、建物の内外に渡って、影響力が強い部分なので時間をかけて進めて行きます。


posted by 添田 at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築設計

2007年12月13日

見積もり

美容室の工事費見積もり。予想通りの数字でした。
予想はしていたものの、いつものことながら予算とはかけ離れています。
A社、B社はよく知っている工務店ですが、、C社はお施主さんのご親戚のお知り合い。

C社はお施主さんに直接見積書を出すと連絡がありました。
理由はA、B社は設計事務所伝手なので、不利になるとの見解。
意味不明。どちらに出そうと一緒です。

最初からそういう姿勢では現場に入ってからも気持ち良く仕事をすることが出来ません。

建築工事の見積もりでは、値段そのものが最も重要ですが、見積書を作成するまでのプロセスもその建設会社の仕事の質を見極める大きなポイントです。質疑の細やかさや工事内容、またその方法の十分な検討がなされているかが意外にも伝わって来るのです。

今回のような改築工事では、現場説明時にどれだけ詳しく既存建物を観察しているかも重要です。職人や設備業者と一緒に現場を見てくれると、その場ですぐに打ち合わせがはじまります。問題点を発見し、依頼が決定したわけでもないのに、様々な検討が可能となります。

来週までに明細を査定し、予算内におさめるよう設計変更の検討をします。


posted by 添田 at 19:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築設計

2007年12月11日

地下防水

地下の防水が完了しました。
建物の地下の防水については、毎回どの方法を採用するかに検討を重ねます。計画する建物の条件、地下水位のレベル、敷地と周辺の状況、コストなど、考慮すべき要素はいくつかあります。

基本的にコンクリート自体は水を透過することはありませんが、打継ぎ部やPコン、コンクリートに入るクラック(ひび)から水の浸入のおそれがあります。鉄筋コンクリートは鋳型をつくってコンクリートを流し込むという一体成形の構造物ですが、水の浸入という観点から見れば、隙間がないこともないのです。

地下の防水には、大きく3種類の方法があります。
1)一つは2重壁にする方法。万が一、地下水が浸入してきても、コンクリートの内側にもう一枚壁を作り、両者の隙間から床下に排水する方法。床下からの排水はポンプアップして地上の下水本管に放流します。2重壁にすることで、室内が狭くなるデメリットがあります。

2)二つ目はコンクリートの外側に防水をする方法。コンクリートが打ち上がった後に、外側から防水をするための作業スペースが必要となります。都内の狭小な敷地では、施工上、困難な場合があります。

3)最後はコンクリートの構造体自身で完璧に防水する方法。
コンクリートに薬品を混入し、コンクリート自体の防水性を高め、打ち継ぎ部、Pコンなど地下水の浸入の可能性のある部分を2次的な施工で防水します。

それぞれの方式でメーカー各社が様々な方法を提案していますが、今回は3番目の方式を採りました。この方法で実績のある某メーカーを採用しましたが、上記の他にも色々と工夫を凝らしています。

実際に施工の結果を見てみると、(地下水が)入りようがない、、、、そんな印象を受けました。

タケイ式1.jpg

タケイ式2.jpg
posted by 添田 at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2007年12月05日

眺め、屋根、集合住宅の設計

写真は自宅のバルコニーからの眺めです。天気の良い日には富士山まで望めます。
マンションの3階ですが、南側には2階建ての戸建て住宅が建ち並び、角部屋なので超高層マンションのように270°視界が開かれています。超高層と大きく異なるのは、眼下に広がる周辺環境との距離感。超高層では、風景写真を見たり模型を眺めたりする感覚に近いような気がしますが、3階くらいだと物自体の素材感まで感じられるような触覚的な距離感です。

眺め

そもそもの地盤面が南側に向かって若干傾斜していることと、都市計画や建築基準法から高い建物を建てにくいことからこの眺望を獲得出来ています。おそらくひとつ下の階も同じような間取りだろうと思いますが、そこで得られる開放感や外部に対する意識の広がりは3階とは大きく変わるでしょう。

バルコニーからは、都内特有の高い密度で戸建て住宅が建ち並んでいるので、本当の地盤面は殆ど見えません。代わりに沢山の屋根が連なって見え、様々な屋根材からなるもう一つの面が形成されているようです。それぞれの家の屋根が土で仕上げてあったり、緑化などしてあるとうちにとってはもっといいのになあ、と勝手に想像しています。

集合住宅を設計する機会が増えてきていますが、住戸毎に得られる外部環境には出来るだけ配慮するよう努めています。全ての住戸に完全なるオリジナリティを付与し、変化に富む住宅の集合体を作っていくことはなかなか難しいのですが、細かな気遣いで周辺環境を観察し、柔軟に対応して行こうと考えています。
posted by 添田 at 13:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記